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弊社副社長はセガを愛しすぎている。

ミリアッシュでは、セガタイトルのアーケードゲーム『ワンダーランドウォーズ』や『CODE OF JOKER』のカードイラストを多く制作しておりますが、そういったご案件を弊社で担当しているディレクター杉山は、大のつくセガ好きです。

 

繁くご依頼をいただけているのは、作家の皆さんと杉山によるセガ愛の相乗効果によるものだと考えています。

 

そんな杉山のセガへの想いを、インタビュー形式で記事にしました。

2020年7月27日

※ゲーム制作会社様を含み、こちらの記事では企業様はすべて敬称略で書いております。予めご了承ください。

竹谷:よろしくお願いします。

杉山:よろしくお願いします。

竹谷:ではまず、セガとの初めての出会いについて教えてくれますか?
杉山:ハード(ゲーム機)という意味では、『ゲームギア』です。

竹谷:任天堂より発売された初代『ゲームボーイ』とほぼ同期の携帯機で、カラー液晶でアタッチメントを買えばテレビも見れてしまうあの?
杉山:そうです。
竹谷:最近60周年を迎えたセガが、復刻版として発売を発表した『ゲームギアミクロ』の?
杉山:まるで台本があるかのように詳しいですね。めっちゃ重かったように覚えています。あとうちでは「視力が悪くなる」との理由で親からゲームボーイ禁止令が出ていたのですが、ゲームギアは『ビッグウインドー』を装着すれば OK という理論が支持されていました。

竹谷:息子とセガへの愛を感じる理論ですね。

杉山:画面が1.5倍に拡大されますから。目に良いです。

竹谷:ゲームギアから芽生えたセガへの感情は、どのようして特別になっていきましたか?
杉山:やっぱりゲームセンターですね。
竹谷:出会った頃から、杉山さんはどこに何のゲームセンターがあるかを知悉した生き字引の印象が強いです。
杉山:ありがとうございます。小学生の頃に一番通ったゲームセンターが東京都大田区は池上にあるセガで、『バーチャファイター』や『ダイナマイト刑事』、『バーチャコップ』、『デイトナUSA』。とにかくセガタイトルを遊んでいました。

竹谷:すでにセガの申し子として、堂に入った風格がありますね。

杉山:小さい頃ってあまり会社とか気にしないと思うのですが、兄が「やっぱりセガだな」みたいなことを言っていて、自分も「やっぱりセガなんだ!」と妙に得心していました。あとハードを修理に出した際、会社の所在地が大田区だと知った時も運命を感じました。

竹谷:杉山さんは、大田区のご出身でしたね。現在セガは品川区大崎に移転していますが、それまでは大田区大鳥居にこそセガというイメージがありました。

杉山:2014年に放送されたアニメ『Hi☆sCoool! セハガール』という、セガのハードを美少女化したキャラクターたち(セガ・ハード・ガール略してセハガール)による快作があるのですが、そのエンディングで歌われている『若い力』はセガの社歌であるのと同時に、彼女たちが『スペースチャンネル5』よろしく踊っている場所は大田区にあった社屋です。大田区なんです。ゆえに、同郷です。

竹谷:それはそれは。ちなみに、竹谷はセハガールの中ではメガドライブが好きです。

杉山:それはそれは。

竹谷:セガ・ハード・ガールの話にも関連しますが、セガは積極的にハードを開発していた過去があり、今なお新作ハードを待ち望む声も多いと聞きます。杉山さんも色々なセガのハードを持っていますが、なにか思い出などあれば教えてください。

杉山:ゲームハードの購入決裁権を持つ父親が少し変わっていた、というか、奇をてらう傾向がありまして。

竹谷:『ドラゴンクエスト』シリーズの音楽を手掛けてきた「すぎやまこういち」氏と一文字違いの杉山雄一さんのことですね。

杉山:よくご存知で。父はゲームボーイではなくゲームギアを買ってきましたし、任天堂の『サテラビュー』も我が家にはありました。

竹谷:合体ロボットのように、『スーパーファミコン』にガチャンとくっつけるタイプの機器ですね。放送衛星からデータを受信する、という最先端で未来的な装置でした。

杉山:そうです。『PlayStation』と『セガサターン』がほぼ同時期に発売され、さあどちらを選ぶか、と世のゲーマーたちが興奮しながら悩んでいた時も、兄と「うちはセガサターン買ってきそうだよね」なんて話をしていたんですが、なんと――。

竹谷:なんと?

杉山:『3DO』を買ってきたんですよ。

竹谷:なんですか、それは。ゲーマーとしての無知を棚に上げて申し訳ないですが。

杉山:平たく言うと、パナソニックが発売したハードです。

竹谷:そんなことが。

杉山:もちろん最新ハードですから嬉々として遊んでいたのですが、正直そこまでソフトがなくて。父にセガサターン欲しいアピールは続けていました。

竹谷:せがた三四郎が「セガサターン、シロ!」って言っていましたからね。

杉山:いや、それはもう少し後です。

竹谷:すみません。

杉山:そうしたら暫くして、なんと――。

竹谷:なんと。

杉山:『Vサターン』を買ってきたんですよ?

竹谷:なんですか、それは。さも「驚くでしょう?」というイントネーションの中すみませんが。

杉山:平たく言うと、日本ビクターから発売されていたセガサターン互換機です。

竹谷:そんなことが。

杉山:当時は別に気にせずプレイしていましたが、今考えると中々ひねくれているなあと思います。なので、うちのサターンは紺色なのです。

竹谷:ちなみに、せがた三四郎は、セガ60周年に合わせて「せが四郎」としてちょうど蘇っていますね。

杉山:「セガサターン、シロ!」から「セガ、知ろう。」というキャッチコピー。「やっぱりセガだな」と思います。

竹谷:花火大会のようなハード遍歴についてお聞かせいただきましたが、ではソフトはどうでしょうか。とにかく遊んだなあというゲームタイトルはありますか?

杉山:ドリームキャストの『ファンタシースターオンライン』です。

竹谷:今は続編の『ファンタシースターオンライン2』が稼働中で、こちらはアニメにもなりましたね。そして来年2021年に新作『ファンタシースターオンライン2 ニュージェネシス』のサービス開始が発表されました。

杉山:そうです。人生で初めて遊んだオンラインゲームでした。離れた友達とゲーム上で会えたあの興奮は、今でも鮮明に覚えています。毎晩23時以降にテレホーダイでインターネットに接続しては、睡眠時間を削って遊んでいました。仲間と一緒にボスを倒す共闘感がとにかく最高で。

竹谷:テレホーダイは、アラフォー・アラサー世代に郷愁めいた感情を呼び起こす単語ですね。

杉山:本当に、何百時間やったか覚えていません。当時「ロスト」と呼ばれる現象がありまして。

竹谷:今だとダークソウルシリーズでよく聞く言葉ですね。集めたものの一切が消失するイメージを纏って聞こえます。ファンタシースターオンラインでは、どのような意味合いでしたか?

杉山:突然、セーブデータが消し飛びます。

竹谷:まさか現実世界とは。

杉山:げに恐ろしいものでした。かくいう私も「ロスった」んですよね。さすがに当分立ち直れませんでした。

竹谷:よくぞ、その喪失感を乗り越え、果てにミリアッシュへ参画してくれました。

杉山:あと、テキストチャットをするためにドリームキャスト専用のキーボードが必要で買いに行ったのですが、『ザ・タイピング・オブ・ザ・デッド』のキーボード同梱版しかそのゲームショップに置いてなく、「予算オーバーしかしそれでも」と勇気をもって購入したのを覚えています。ちなみにザ・タイピング・オブ・ザ・デッドも面白いです。

竹谷:ゲームセンターで何度かやったことがありますが、タイピングさせるフレーズが独特でしたよね。ふとした時に杉山さんが呟かれる、あの言葉は何でしたっけ?

杉山:「左利きの姉」でしょうか。

竹谷:それです。その出会いのきっかけはファンタシースターオンラインだったのですね。さて――。

杉山:ほかにはですね。

竹谷:はい。どうぞ。

杉山:トレジャー開発のセガサターン用ゲームソフト『ガーディアンヒーローズ』は尋常でなくやりこみました。

竹谷:少し前、マイクロソフト開発のハード『Xbox 360』に移植されたゲームですね。

杉山:そうです。3ラインからなる横スクロールアクションゲームなのですが、分岐するシナリオや、複数のキャラクターが画面所狭しと激動するバトルが素晴らしくて。キャラクターデザインも個性的で、私の嗜好性に確かな影響を与えています。「セガ設立60周年記念 “GO SEGA”アイコンプレゼントキャンペーン」の中にガーディアンヒーローズがあったので「きっと新作が出るんだ!」と思っています。よろしくお願いします。

竹谷:どのアイコンも魅力的ですよね。どれかひとつ選べと言われたら、竹谷はトライエース開発の銃撃多重奏RPG『エンド オブ エタニティ』に登場するリーンベルで行きます。

杉山:ご慧眼に脱帽です。そしてまた、キャンペーン名に"GO SEGA"と入っているのが最高にクールです。

竹谷:杉山さんのお名前は「剛」、アルファベットでは"GO"ですので、これはもうセガとの両思いを暗示していますね。

杉山:ええ、すべては信じることから始まりますから。

竹谷:少し逸れてしまいました。横スクロールといったアクションゲームは、昔はゲームセンターにもたくさんあったように覚えています。格闘ゲーム『鉄拳』の大ファン(通称テケナー)でもある杉山さんはゲームセンターへよく行かれますが、セガのアーケードゲームで好きなものはありますか?

杉山:今でも『スパイクアウト』をやりに行きますね。新宿歌舞伎町近くのゲームセンター「新宿スポーツランド本館」でプレイできまして。

竹谷:商談や会食で竹谷と新宿にいる時、折に触れて協力プレイに誘っていただくゲームですね。先ほども出た名作ダイナマイト刑事の系譜を汲んでいる――。

杉山:そうです! 1クレジットで長く遊べますし、なにより楽しいです! もっと協力プレイしたいので絶賛仲間を募集中です。あとはセブンティーンアイスを食べながら『ネットワーク対戦クイズ Answer×Answer』を再びプレイできる日を、心から待ち望んでいます。

竹谷:スパイクアウト等のアクションゲームとはまた別に、アーケード音楽ゲーム(音ゲー)を楽しんでいる印象もありますが、セガタイトルの中で特にお気に入りの楽曲はありますか?

杉山:へなちょこプレイヤーなので先ほどの回答に挙げることはしなかったのですが、最近はセガの音楽ゲーム『チュウニズム(CHUNITHM)』の楽曲が好きです。

杉山:中でも、ゲーム内にオリジナルガールズバンドとして登場する『イロドリミドリ』の歌はかっこいいですね! Hisasi さんのイラストも可愛いです。色々なキャラクターが登場し、各々が異なる楽器で演奏するので、ストリングスなども入って音に幅が生まれて素敵です。あと Hisasi さんのイラストが可愛いです。

竹谷:イラストのくだり、2回言っていますね。

杉山:本当ですね。

竹谷:イラストレーターさんへの愛が溢れたところで、ミリアッシュの話をしましょう。弊社では『ワンダーランドウォーズ』や『CODE OF JOKER』といったセガタイトルのイラスト制作を多くお受けしておりますが、担当しているディレクターとして、どういうことを心掛けていますか?

杉山:「作家さんらしさを思い切り出して描いてもらう!」ということですね。

竹谷:オリジナリティ、昨今の言葉で表すならクリエイティブを。

杉山:そうです。絵柄やタッチを合わせるご案件もある中、セガタイトルのご依頼は、作家さんの個性を伸び伸びと活かしつつ制作を進行できる印象があります。作家さんの提案も一層気持ちが強く入り、「こういう絵柄でなくてはダメだ」という固定観念を捨て、「この作家さん良いですよね!」と意気良く申し出る時もあります。

竹谷:確かに、傍から見ていて「この作家さんに描いてもらっているとは!」と驚いたことは一再ではないですね。

杉山:自分の推している作家さんが選ばれた時はとても嬉しいですし、ご快諾いただいているセガご担当皆々様の懐の深さには、感謝しかありません。

竹谷:さて、いよいよ最後となりますが、世界中のセガ好きな人々に向けて、なにかメッセージをお願いします。

杉山:うちセガサターンのマルチターミナルありますよ! 一緒に遊びましょう!

竹谷:それはスーパーファミコンで言うマルチタップのごとく、コントローラーをたくさん繋いでみんなで遊ぶための機器の?

杉山:まるで台本があるかのように詳しいですね!