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会社設立から1年(2018年)、アートディレクションを始めとしたイラスト制作の技術を大切に磨き続けた話をPRイラストと一緒に。

ミリアッシュを設立してから早くも1年が経ち、前社(ゲームイラスト制作会社)の印象が徐々に抜け落ちていくと同時に、「ミリアッシュらしさ」と向き合うようになっていきました。

 

他社と比較し、どこが弱いか、または、どこが強いか。

 

前社の有形無形な資産と新会社ならでは勢いに、いつまでも頼っているわけにもいきません。一層アートディレクションを強化し、クオリティを更新し続けていかんと歩んだ2018年の話を、PRイラストとともに書きました。

2020年8月6日

竹谷の新卒時代を思い返すに、心の底から本当に、まったく働きたくありませんでした。

GWが終わったあとなど、地獄へ落ちる思いで出社していました。9時始業だったのですが、粘りに粘って8時59分にオフィスへ到着するくらい、歩く速度も遅かったです。

4月から環境が変わり、ひと月はなんとか踏ん張るものの、GWで心がゆるみ、そして元に戻れなくなる。

それが「五月病」として定着したのは、日本では年度が4月より始まるからでしょう。4月開始の理由は明治時代の納税や大蔵省の都合によるらしいですが、なんにせよ「諸事情あってそうなった」だけのようです。もし、11月から年度が始まっていたら、「十二月病」と呼ばれていたかもしれません。

企業の年度開始も4月が多いのですが、弊社ミリアッシュは1月から始まります。年と年度の終始が同じです。

ミリアッシュ初年度の最終日である2017年12月31日、竹谷は表参道にいました。

ちょうどオンラインサロンがあちらこちらで作られ始めていた時期だったように覚えていますが、クラウドファンディング「キンコン西野の新サービス『レターポット』の開発費用を集めたい」支援のリターンとして「キンコン西野の大忘年会」に参加していました。

その数ヶ月前、たまたま知り合った当時先輩イラスト制作会社のサーチフィールド社遠藤寛之さんとたまたま同じイベントへ参加すると知り、現CAMPFIRE社のサービスである「地域・地方に特化したクラウドファンディングのプラットフォーム」FAAVOの宣伝を手伝いに行きました。2020年現在、いまなお遠藤さんとは月に一度か二度飲んだり遊んだりしていることを考えるに、感慨深いものがあります。

イラスト制作会社ミリアッシュ初年度、竹谷の最後の仕事は、同業先輩会社の別事業のお手伝いをしつつ、交流を深めることでした。会社を作ってそろそろ一年、ようやく竹谷は、ひとと繋がっていくことの大切さに気づけた頃でした。

そうして、2018年が始まります。

ミリアッシュ初の謹賀新年:年賀状イラスト by 朝日川日和 様

2017年をまとめた記事で触れましたが、ミリアッシュは季節の贈答品をちゃんとやろう、という方針を固めており、2018年の始めにはイラストを印刷した年賀状を送りました。ミリアッシュとしては初めての年賀状です。

戌年なので、とにかく犬をモチーフにしたイラストにしました。大吉に点を足して「犬吉」にしていたり、おみくじを売っている巫女さんたちが犬だったり、まろ眉ワンちゃんの首輪に弊社イニシャルの mah が入っていたりと、遊びを凝らしたイラストに仕上げてくださいました。犬のフードをかぶったイタズラ気質の女の子が、とにかくかわいいです。

ミリアッシュ設立から365日:1周年記念 by CUTEG 様

12月決算の弊社は、1月に入ると慌ただしくなります。

最終的な利益を出して、法人税を国に納める。納税の大変さを感じながら、税金ってたくさん種類があるのだなと改めて見知っていきました。

初めての経験は、まだまだ続いていました。そういう状況の中、こちらのキャラクターイラストを描いてもらった覚えがあります。先の年賀状イラストと同様に、「周年イラスト」も初めての概念でしたが、時の流れに埋もれさせず、きちんと作っておいてよかったと思います。一度やれてしまえば、あとは習慣にするだけです。

企画の主導は取締役寺井に丸投げでしたが、さすが弊社で誰よりも「かわいさ」にこだわる寺井。ライトノベルの表紙等で有名なイラストレーターCUTEG(cuteg、カム・ジー)さんへ依頼することに成功し、最高級にかわいいイラストとなりました。

別れの季節:雨上がりの卒業式 by フカヒレ 様

先ほど年度の始めは4月と触れましたが、その前月である3月は物事が終わるため、別れの多い月でもあります。

時節の贈答品が会社の文化として身についてきたからか、ミリアッシュは季節のイベントをモチーフにイラストを制作していくことが増えていきます。こちらはまさに3月です。彼方此方で大人気のイラストレーターはフカヒレさんへご依頼し、喜びや寂しさの綯い交ぜになったイラストを描いていただきました。

こちらの企画も取締役寺井に主導してもらったのですが、本当にきれいなイラストです。このクオリティの高さをぜひもっと多くの方にご覧になったほしいと思い、東京ゲームショウ2018のPRイラストとしても飾らせていただきました。

厚塗りゲームイラストのご案件に向けて:刀剣士ツバキ(不死狩り) by 西藤 様

前回の記事でも書きましたが、

「この作家さん、あのプロジェクトに提案したい!」

と考え、先方へ申し出るため先んじてイラストを描いていただくことがあります。

こちらのイラストは、海外展開もしているダークファンタジー系のゲーム案件へ向け、イラストレーターの西藤さん(※現在活動休止中)に描いてもらいました。イラスト自体の構想は、ゲーム『DARK SOULS(ダークソウル)』シリーズと『ワンダと巨像』を足したイメージで考えました。街を覆うような巨大な怪物に、東洋から伝わった刀一本で挑む女性剣士です。こういう和洋折衷の戦士には浪漫がありますね。

美少女ゲームのご案件へ向けて:ギムスタン(ブックワームマジシャン) by 高野透 様

先の厚塗りイラストの剣士と同様に、こちらも先方へ提案するために描いていただいたものです。コーエーテクモゲームスさんはガストブランドのゲームシリーズ『アトリエ 〜黄昏の錬金術士』の服装デザインをイメージしつつ、大好きなゴシック感を出しました。本を愛しすぎて意思を与えてしまう力を持った女の子です。髪型に関して言えば、竹谷は色々なテールが好きですが、中でもサイドテールは無敵だと考えています。

こちらのイラストは高野透さんに描いていただきました。いつもクオリティの高いイラストをお描きくださるイラストレーターさんです。

イメージキャラクター・マスコットキャラクターのご案件に向けて:ミリア・アッシュ・色丸 by ちてたん 様

会社設立時に描いていただいた、ミリアッシュの社名に由来したキャラクター「ミリア」と「アッシュ」に、「色丸」という龍と犬のハイブリッドなキャラクターを加えて、頭身低めのデフォルメにしていただきました。デフォルメイラストは、企画書や資料等どこでも活躍できるため現在も重宝しております。元々のキャラクターデザイン同様、ちてたんさんにお願いしました。

もちろん、後ろ姿もあります。こちらは東京ゲームショウへ出展する際、取締役寺井の着るTシャツを一層かわいくしようと思い立ち、背面に印刷するように描いてもらったものです。

乙女ゲームイラストのご案件に向けて その1:結城灰理(昼下がりのデート) by たかはた風嘉 様

ミリアッシュは、デジタルのイラストを扱うビジネスをしているからこそ、アナログなコミュニケーションを大切にしたいと考えております。東京ゲームショウへ出展するのも、作家さんやクライアントの皆様が会いに来てくださり、談笑できる時間を無二と思うからです。

また、「作家さんにお会いしたい」と思えば、できる限り会いに行く、という方針があります。

「ほんとうは、こういうイラストも描いてみたい」

対面で色々とお話をお聞かせいただくと、本音ベースのご相談を受けたりもします。そして弊社の場合、「ぜひ描いていただこう」となることがほとんどです。

当時、弊社で公開可能な「乙女ゲームのイベントシーンイラスト(スチル)」がちょうどなかったこともあり、乙女ゲームに出てきそうなデートシーンを描いていただきました。街路樹やカフェの背景のきれいさと、おいしそうなランチやデザートの描写がすばらしいイラストに仕上げていただきました。

乙女ゲームイラストに向けて その2:騎士フェル(愛娘の結婚式) by 有末リオ 様

こちらも、先のイラストと同様に、実際に作家さんとお話させていただいた結果「描いていただこう」となったものです。竹谷の好みが出ると、かわいい美少女イラストをついつい頼んでしまいがちなのですが、ここはその気持ちを抑え、ゲームイラストではなかなか描ける方がいないと言われるミドルエイジの男性キャラクターを描いていただきました。

時期がちょうど6月だったのもあって、ジューンブライドに合わせて季節感も出しました。愛する娘の結婚式に参加していたところ、急に招集がかかり参上したヒーロー剣士です。ゆえにフロックコートを着ています。

こちらのイラストは有末リオさんに描いていただきました。

下記のような感じで、フェイスブックに投稿したりもしています。

暑中見舞い用PRイラスト:炭谷真麻(ペンタブの夏) by Jenevan 様

早いもので、ミリアッシュとして二度目の夏が来ました。そして夏と言えば、暑中見舞いとお中元です。今回はスター・システムのようなものを搭載しようと考え、昨年東京ゲームショウへ出展した際にノビルさんに描いてもらったキャラクターを(note記事のカバー画像の女の子)、今度は別の作家さんに描いてもらいました。

Jenevanさんは韓国にお住まいの作家さんなのですが、日本在住のひとよりも日本らしい夏を見事にお描きくださりました。イルカ、風鈴、紙飛行機が水面となっているのも、涼しげで本当にすてきです。キャラクターのかわいさは、言わずもがなですね。

 

ちなみに、液晶タブレットに弊社名のロゴが入っているのですが、この時点ではまだ旧版のロゴでした。

美少女ゲームのご案件に向けて:猫魔道士キトリカ by 茶葉 様

弊社3名のうち、竹谷はただのゲーマーとして除外するとして、杉山・寺井の両ディレクターは日々イラスト受託制作の最前線におります。もちろん、ふたりとも実際に自らイラストを調整・修正するのですが、アートディレクションのサポートに常時入っていただいている作家さんが数名おります。中でも、こちらのイラストを描いてくださったイラストレーター・漫画家の茶葉さんは、設立時より「赤入れ」や「ブラッシュアップ」等ミリアッシュの制作クオリティを一層高めるためお世話になり続けている作家さんです。

通常のイラスト制作業務では、『ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル』を始めとした衣装デザインや版権キャラクターイラスト等のサポートのご依頼がメインとなります。そのため、必然的に一枚絵のご相談が減ってしまっており、茶葉さんのご実績として自由にご活用できるイラストの少ないことをもったいなく考え、お描きいただきました。

こちらのキャラクター原案も竹谷によるものです。猫魔道士という職業で、その手に抱く猫を魔法の触媒にするので、猫によって発動する効果が変わります。また、腰につけた「魔タタビ」は、猫たちの力を一段高める秘蔵の粉で、大変貴重なアイテムです。

サーチフィールド社10周年お祝いイラスト:サチとミア(旅の途中) by 朝日川日和 様

ミリアッシュを作るより数年前、別のイラスト制作会社(2017年に倒産しています)に勤めていた竹谷は、強豪同業他社のウェブサイトを検索し訪ねては、見倣うべきところを羨望とともにメモしておりました。その中でも今なお指折りの存在感を放っている株式会社サーチフィールドさんが、10周年という大きな節目でクラウドファンディング「クリエイター支援!限定画集と思い出をタイムカプセルで未来につなげたい!」に挑戦されており、弊社はそちらの法人コースに支援させていただきました。

※弊社は現在株式会社サーチフィールドさん以外にも、株式会社フーモアさんPanda Graphics株式会社さん株式会社MUGENUPさんクラウドゲート株式会社さんといった同業イラスト制作会社の方々からご相談いただき、協力してイラスト制作に取り組んでいる実績がございます。

こちらのイラストは、そのリターンの画集にご掲載いただくものとして制作致しました。サーチフィールド社とミリアッシュを姉妹として擬人化し、旅の道中を描いたものです。今見返しても、本当に素晴らしいイラストに仕上げていただいたと思います。ちなみに、スーツケースに貼ってあるシールは、かつてサーチフィールド社がロゴに用いていた動物です。

こちらは10周年イベントに参加した時の投稿です。元サーチフィールド社で、当時CAMPFIRE社に移っていた遠藤寛之さんと、ふたりしてサーチフィールド社のスタッフTシャツを着て紛れ込むことに成功しました。

次はミリアッシュが10周年へ無事たどり着き、そしてまたサーチフィールド社の20周年を祝えるよう、時を過ごしていこうと改めて思います。

こちらのイラストは、前述した2018年の年賀状イラストと同じく朝日川日和さんに描いてもらいました。いつもきれいなイラスト、心より御礼申し上げる次第です。

2度目の東京ゲームショウ出展と、そのPRイラスト:戸草マツリ(VRゲーム) by maruco 様

真夏が過ぎ、じめじめする残暑が到来すると、東京ゲームショウの時期です。去年の出展を経て、お会いに来てくださる作家さんやクライアントの皆様、また数あるブースから弊社のブースへお立ち寄りいただき、新たにご縁をいたたく方々とのコミュニケーションの場として東京ゲームショウの価値を高く感じ、2018 年の出展は迷わず決めました。

こちらのイラストは、当時大波の来ていたVRゲームをモチーフに、marucoさんに描いていただきました。marucoさんの無類なデザイン力には、いつも予想を凌駕した感動を抱くのですが、今回も期待をはるかに飛び越えたイラストにお描きいただきました。髪色が赤なのは、弊社のコーポレートカラーだからです。ほかも色味を抑えてもらい、赤がひときわ印象的になるよう仕上げてくださいました。VRと現実のコントラストに惚れ惚れするイラストですが、笑顔だけは左右で一緒なのが特に好きです。

ロゴを一新したのもこの頃で、名刺の裏で大活躍でした。名前が戸草マツリなのは、東京ゲームショウの略称「TGS」を無理くり読んでトグサ、マツリは東京ゲームショウがゲーム業界とゲーマーにとっての祭典だからです。

作家さんとのご縁に:クリスマスデート(乙女ゲームイラスト風) by れんた 様

東京ゲームショウが終わるともう10月で、ご相談いただくご案件もクリスマスや年明けのイベント、ひいてはバレンタインデー・ホワイトデーと、一気に年末と来年を意識するようになります。

そんな折、イラストレーターのれんたさんより、ご協業に関するお問合わせを頂戴しました。

こういう時、心の底から、イラスト制作会社冥利に尽きると思います。弊社のような、フリーランスの作家さんとタッグを組んで業務を遂行する会社は、「仲介」と括られ、疎まれるようなこともあります。そのような中、作家さんが時間を縫って弊社ウェブサイトへアクセスしていただき、「この会社は大丈夫そうかも」とご判断の上、文章を作っていただけるのです。イラスト制作会社として、これほど嬉しいことはありません。

そして、クライアントへのご提案含め、弊社で出来る限りのことをしたい、と思います。もちろん、大変心苦しいことに、なにもお願いできない場合もありますが、この時分は年末が近づいていることもあり、「クリスマス用にPRイラストを描いていただこう!」となりました。

れんたさんは、現在も弊社と仕事をしていただいております。どこまでも丁寧にお仕事をしてくださる、素晴らしい作家さんです。重ね重ね、ありがたいことです。

2018年の終わりも、同業イラスト制作会社と。

2018年の最後は、新橋で火鍋をいただいてから和スイーツを食べて、有楽町のゲームセンター「ジョイランドザボン」で『鉄拳(TEKKEN)7』をしていました。あたかもミリアッシュ4人目に見える男性(画面左奥)は、先輩であり同業のイラスト制作会社MUGENUP社の村瀬健太氏です。実は、彼はかつて『鉄拳(TEKKEN7)』にて最も強い者に与えられる称号「鉄拳王」の保持者で、写真2枚目は、酩酊した杉山がいざ社運をかけて村瀬氏を討たんと連コイン(プレイに必要な100円玉を何度も投入し戦うこと)しているところです。

2017年も2018年も、同業イラスト制作会社の方と仲良くしながら終えられているのは、なんとも幸せなことです。実質"酔拳使い"と化した杉山対「鉄拳王」村瀬氏との対戦の行く末は、村瀬氏の平然とした表情、杉山の眉間、そして寺井のアルカイックスマイルからご推察ください。

2017年よりも、はるかに色々な方々との繋がりを太く感じ、それに比例して楽しく大変にビジネスをしていた2018年でした。

チームブログとして別途運用中のnoteには、弊社杉山の『鉄拳』愛溢れる記事もありますので、よろしければぜひお読みください。

お読みくださりありがとうございました。

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